野犬に限らず、飼い犬、猫は保健所で殺処分されます。これは、ほぼ皆さんが何となくでもご存知ですよね。
しかしその総数が年間30万頭以上ということはご存知でしょうか。
一日に800頭以上が殺されているという計算になるので、異常な事態だということがご理解頂けると思います。
これは毎年あまり変わらない数字です。
保健所で殺処分されるのは野良犬や猫だけではありません。
自治体にもよると思いますが、飼い主が自ら訪れ、わずかなお金を支払うことで処分できてしまいます。
職員も思いとどまるように説得することもありますが、その殆どは保健所行きとなります。
更にこんなこともあります。
民間で犬猫を回収している業者が存在します。
車で回り、無料で引き取るというものですが、もちろんこれは殺処分を前提とした回収であり、やがてはみんな死んでいきます。
以前TVで放送していたのものは耳を疑う言葉ばかりでした。
「タダだから助かる」
「病気で大変だから」
これ、笑いながら話していました。
そして、15年も連れ添った犬を
「自分が歳を取ってどうせもう飼えないから、ごめんね」
と手放した飼い主もいました。
地方には「捨て犬回収ボックス」というものまで存在していました。
好きで飼った犬猫を処分できる神経ってどんな神経だろう。
言葉は悪いですが「腐っている」ということだけは言えます。
きっとこんな神経の持ち主が連日ニュースを賑わせている子殺し、親殺しといった非道な道を歩むのでしょう。
「人と犬は違う」という人もいますが、そんなもん当たり前です・・・が、命の重さは同じです。
犬猫をまともに飼えない人が、それよりももっと大変な人間を育てることなんてできませんよ。
先日崖から救出された犬ですが、きっと飼い主が見つかるでしょう。
それを「ラッキーだ」と報道していましたが、確かに幸運な犬です。でもそれでは保健所で殺処分を待っている犬は不運ということになってしまいます。
優劣を簡単に付けたがる風潮は何とかならないものでしょうか。勝ち組、負け組という言葉も大嫌いです。
勝ち負けなんて自分の中で決めれば良いことであって、人からどうこう格付けされるなんてまっぴら御免です。
一番悪いのは売ることだけを考えているペット業者です。
ここを絶てば、捨て犬猫は激減するでしょう。
長ければ20年は共に生きる命を、お金さえ払えば買えてしまうということが、そもそもおかしい。
犬猫を飼うには免許制にすれば良いと以前から考えています。テストもたくさんきちんと行い、国家試験とまではいかなくても、非常に厳しい制度にすれば良いんです。
虐待や健康管理を怠ること、捨てることを監視して、人と同じ罪を与える。これくらいしないとダメですよ。
海外では、すでに動物専門の警察というものがあります。それによると、やはりきちんと管理できていない飼い主については厳罰が与えられます。
外来魚を駆除することが正義と信じている人、そして犬猫を捨てる人。
いずれも生命を考えるという感覚が歪んでいます。