テレビを観ていたら、新宿などにタヌキが出現し、餌付けされているという話題が流れていました。
人家の庭先までやってきて、キュー!と鳴いて餌をねだる姿は愛嬌があり確かに可愛いのですが、こういった映像を観るたびに疑問に思うことがあります。
なぜ和やかな映像にするのか、問題はそこではないのに。
タヌキの場合でいうと、疥癬(かいせん)という皮膚病を持ち込んだり、または人家の庭などで飼われているペットから貰ってしまったりします。
疥癬にかかったタヌキや犬は、皮膚がガサガサになり、毛は抜け落ちて、まもなく死んでしまいます。疥癬のタヌキに遭遇したことがありますが、それはタヌキとは判別できないほど悲惨な姿でした。
飼い犬とは違い自由に行動するので、この病気をあちこちに振りまいてしまう危険性もあります。
それだけではありません。
糞尿の被害もありますし、全ての人がタヌキに好意的ではないということも考えなければなりません。
身近なところでは、野良猫への餌付けがあります。
本当に責任があるのなら引き取って自宅で飼うべきなのに、餌をやるだけやって「かわいいね」なんて言っている。
ハッキリ言ってしまえば、後は死のうがどうしようが関係ない。完全に自己満足な世界です。
もちろん、中には避妊手術の費用を出して手術を受けさせ、餌をやる場所も常に清掃して、きっちりとしている方もいらっしゃいます。
中には埋葬までされる方もいらっしゃることでしょう。でもそれが正しいかというと、疑問が残ります。
鳥インフルエンザが流行している最中、ハトなどの野鳥に餌をやる人もいます。
その行為は無神経と言われても仕方のないことでしょう。
ただ餌付けをしている人たちには悪意があるわけではありませんから、頭ごなしに「それは良くない!」とピシャ!と言ってしまうのは可哀想なのですが、野生動物に餌付けをすることは間違っています。すべきではありません。
ハトやカモにポップコーン、野良猫にお菓子を与えている人たちは、ハトの餌を食べますか?猫の缶詰を食べますか?専用の餌を与えているから良い、ということでもありませんけどね。
釣りに関係のある川などでもそうです。
環境汚染はいけない、自然破壊は反対!と声高に叫んでいる人に限って、自然保護でもしているつもりなのか、平気な顔して金魚やメダカを川に放して「魚が増えた」なんて喜んでいます。しかも子供達を巻き込んで。なーに言ってんだか、です。
以前から気になっていたことですが、タヌキの餌付けをいかにも和やかな映像として流しているニュース番組にカチン!ときたので書いてみました。
外来生物法のときも、マスコミとお役人にカチン!ときましたっけ。パブコメなんて完全無視でしたし。
我々釣り人は幸い自然に接することが多いので、こういったことに敏感でいたいと願っています。敏感といっても、神経質とかそういうことではなくて、正しいことと間違っていることの区別がきちんとできるように、という意味です。